「オッペンハイマー」をIMAXで見た個人的な感想



この記事の内容はすべて、一個人の主観的な感想です。

また、過度なネタバレはしていないつもりですが、記事の中には、映画の内容や、劇中に登場した話題について触れている部分があります。 ご了解いただいたうえでお読みいただけると幸いです。


クリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」を、先日、IMAXで見てきました。

まず、”IMAXがどうだったか”ということについて述べていきたいと思います。


・映像

IMAXの大きなスクリーンいっぱいに映像が映し出され、やはり迫力がありました。トリニティ実験成功のシーンは、赤々と燃える炎が鮮明に見え、恐ろしかった。


・音

IMAXでない劇場では見ていないので比較はできないのですが、音のすごさを今まで見てきた映画と段違いに感じ、追加料金を払ってでもIMAXで見てよかったということを、特に「音の良さ」によって思わされました。

爆発のシーンの轟音は、座席が振動しているように感じるほどすさまじかったです。先ほども触れたトリニティ実験のシーンは、鮮明な映像と、このすさまじい音が相まって、恐ろしくてたまらなくて、さらにこの恐ろしいことが実際に起きたことであるというのが嫌でたまらなくて、顔をずっとしかめていたように思います。

また、この映画は「足音」が一つの重要な要素になっているのですが、その足音が迫りくる感じも、怖くてたまらなかった。


・その他

IMAXのスクリーンは客席数が多いですが、「大勢のみんなで見る」というのができてよかったなと感じました。見に行ったのは平日の昼間だったのに、8割ほどが埋まっていたように思います。若者が結構多かった気がする。私もそうですけど、学校の春休みを利用して行った人が多かったのかも。

観客が大勢いたからと言って、その人たちと話すわけではないし、上映中におしゃべりするような人もいなかったけども、前列の席の人の頭が動くのが目に入り、「何かグッと心に来てるんだろうな」と想像できたり、普段地元の映画館でポツンと数人まばらで映画を見るのとは違う、全体の雰囲気をなんとなく感じられたりして、「映画館で映画を見る」ということの魅力の一つを味わえました。



内容の理解について

鑑賞前にネット上で、「登場人物が多いので、顔を覚えてから見たほうがいい」とか、「予習をしたほうがわかりやすい」とかいう意見を見かけたため、

映画のホームページの登場人物紹介をザっと眺めてから映画館へ行きました。


他の予習は、直前には特になにもせず。

ただ、2月にNHKで放送された「映像の世紀 バタフライエフェクト」の、「マンハッタン計画 オッペンハイマーの栄光と罪」の回を視聴済み。

映像の世紀バタフライエフェクト - NHK

マンハッタン計画 オッペンハイマーの栄光と罪 - 映像の世紀バタフライエフェクト - NHK


また、私の母校の大阪の小学校は、平和教育をわりときちんとやってくれる学校で、夏休み中の登校日が8月6日にあり、学校へ行くと先生から「70年ほど前の今日の広島で、そして70年ほど前の9日の長崎で、こういうことがありました」という説明があり、戦争や原爆のことを絵本やビデオ、時には実際の写真を見ながら学習するというような機会が何度もあったのを覚えています。そして修学旅行も、私の在校中はずっと、6年生は広島へ行っていました。


さらに、高校の歴史の選択授業は「日本史」をとっていました。


こんな状態で見に行ったところ、

登場人物は噂通り多く、終盤で「誰だっけ?」と数人に対して思ってしまったのですが、ついていけなくなるほどではありませんでした。

また、全体のストーリーもほとんど理解できたのではないかと思います。見ていて大筋から振り落とされるようなことはありませんでした。


ただ、世界史の知識が一般常識以下の私。赤狩りはローマの休日関連で調べて少し知っていたものの、スペイン内戦の知識がまったくなく、「なんでこんなにスペインの話ばっかりしてるの?」と思ってしまいました。

去年、リドリー・スコット監督の「ナポレオン」を見に行ったのですが、世界史知識皆無な私は「なにがなんだかわからない」という感想を抱いてしまいました。

やっぱり知識って、必要不可欠なものではないけど、あったほうが色々と得ですね。


このように、わからなかったところは少しあったものの、ほとんどの部分は、日本史や平和教育で私がこれまで学んできたことがサポートしてくれたので、うまく理解することができ、

さらに、劇中の日付が進んでいくことに対して恐怖心を抱いたり、オッペンハイマーが目をそらしたスライドについて想像できたりと、何もまったく知らないのではなくある程度の知識があるからこそ抱ける感情や考えられることも多かったです。



鑑賞中、ものすごく不快な気持ちになった場面も多々ありました。でもそれは、これから起こることの酷さ・むごさを想像したからだったり、あるいは、人が、それも自分の国の人がたくさん亡くなったり傷ついたりしたということが感情的にとても嫌だったりしたからであって、「不快になったからよくない映画だった」とは全く思わず、「見てよかった、良い映画だった」と感じました。

逆に、原爆開発がテーマの一つとなっているこの映画に対して「良い映画だった」という感想を抱いたからといって、私に核兵器を肯定するつもりはまったくありません(個人的には、この映画は、反核のメッセージが込められた映画であると強く思いました)


私の感想は以上です。繰り返しになりますが、これは、「私」という一個人の、主観的な感想であります。

それではまた!



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